シンガポール・ベトナム・マレーシアの採用動向――Reeracoen 2026年3月採用レポートから見えてきたこと

シンガポール・ベトナム・マレーシアの採用動向――Reeracoen 2026年3月採用レポートから見えてきたこと
東南アジアの労働市場は、2026年も変化を続けています。多くの業種で採用活動は安定しているものの、企業が新しいポジションの承認に以前より慎重になってきている傾向が見られます。
Reeracoenの「2026年3月採用レポート」によると、シンガポール・ベトナム・マレーシアの採用需要は引き続き底堅い状況です。ただし、増員よりも欠員補充が主流となっており、採用の判断基準も全体的に厳しくなっています。
「どのタイミングで、どう動くか」が、採用競争の明暗を分けています。本記事では、企業が今押さえておきたいポイントをまとめます。
今の市場は「増員」より「穴埋め」が主役
地域全体で一貫して見られるのが、欠員補充型採用の多さです。
積極的な人員拡大よりも、退職・社内異動・組織再編で空いたポジションを埋める動きが中心になっています。
これは企業の行動変容を反映しています。業務を止めずに回しながら、「本当に必要な採用かどうか」を慎重に見極める姿勢が定着してきました。
「Reeracoen採用担当者調査2025〜2026」によると、増員に必要な社内承認のハードルは上がっており、特に売上や業務効率に直接つながらない部門では、より明確な根拠が求められるようになっています。
その結果、採用担当者が社内承認を得てから動き出すまでに時間がかかるケースも増えています。
人材不足は依然として続いている
採用基準が厳しくなる一方で、人材不足も解消されていません。シンガポール・ベトナム・マレーシアいずれの市場でも、主要な職種での人材確保は引き続き難しい状況です。
Reeracoenの調査データによると:
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80.3%の企業が、給与水準のギャップを採用上の課題として挙げている
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23.2%の企業しか、必要なスキルを持つローカル人材を自信を持って確保できると感じていない
スキルのミスマッチ・職務要件の変化・専門知識への需要増加が、市場の硬直化に拍車をかけています。
採用活動が落ち着いているように見えても、適切な人材をめぐる競争は依然として激しい――これが現状です。
採用が活発な業種
2026年3月のレポートでは、以下の業種が特に採用活動の活発な分野として挙げられています。
製造業・エンジニアリング
東南アジアの経済成長を支える基幹産業として、ベトナム・マレーシアを中心に生産計画・エンジニアリング・オペレーション職の需要が続いています。
銀行・金融サービス・フィンテック(BFSF)
シンガポールは引き続き地域の金融ハブとして機能しており、規制対応の強化を背景にコンプライアンス・リスク管理・財務関連職の需要が高い状態が続いています。
商社・流通
地域統括拠点や多国籍企業を中心に、国をまたいだ業務やサプライチェーン管理を担える人材へのニーズが安定しています。
専門職サービス
コンサルティング・法務・専門的なアドバイザリー職でも採用の動きが続いており、特にガバナンスやコンプライアンス分野での需要が目立っています。
バイリンガル人材の需要は引き続き高い
東南アジア全体で共通するもう一つのテーマが、バイリンガル人材の価値の高さです。
Reeracoenの採用実績データと「給与ガイド2025〜2026」によると、バイリンガル人材は役職や専門性によって、同職種比で10〜20%程度高い報酬を得ているケースが多く見られます。
特に需要が高いのは、国をまたいだビジネス環境で活躍できる人材です。
- 日系企業向けの対応業務
- 技術サポートやエンジニアリング調整
- 地域をまたいだ管理業務・オペレーション
これは、多国籍企業や日系企業が地域全体で事業を展開し続けていることの表れでもあります。
採用担当者としては、バイリンガル人材を採用プロセスの早い段階から動き始めることで、採用にかかる時間を大幅に短縮できます。
企業の採用姿勢は、より慎重に
採用需要自体は安定しているものの、企業の採用行動はいくつかの点で変わってきています。
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コスト意識がより強くなっている
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業務価値の説明・正当化がより厳しく問われるようになっている
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増員の承認がより選別的になっている
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部門によっては社内承認に時間がかかるようになっている
これは採用意欲が落ちているというよりも、より戦略的に人材を確保しようとする姿勢の表れです。長期的な事業目標との整合性を重視した、持続可能な採用への転換とも言えます。
今後の見通し
2026年後半にかけて、シンガポール・ベトナム・マレーシアの採用活動は全体的に安定した水準を維持する見込みです。
製造業の成長・越境貿易の拡大・地域への継続的な投資が、採用需要を下支えする見通しです。
ただし、世界経済の不確実性が引き続き企業の採用判断に影響を与える可能性があります。
HR担当者が準備しておくべきこと:
- 専門職種では採用に時間がかかることを見越したスケジュール設定
- バイリンガル人材をめぐる競争が続くことへの備え
- 給与水準と働き方の柔軟性に関する候補者の期待値の高まりへの対応
素早く動ける体制と、市場実態に即した報酬設定ができている企業が、優秀な人材を確保しやすい状況になっています。
Reeracoenの東南アジアにおける採用支援
Reeracoenはアジア各地で10年以上にわたり、企業の採用活動を支援してきました。
「採用レポート」をはじめとした各種調査を通じて、採用動向・人材の確保しやすさ・企業の採用行動に関する情報を定期的に発信しています。
こうした情報が、採用戦略・人員計画・人材確保における、より的確な意思決定につながることを目指しています。
よくある質問
Q1. 「採用レポート」とは何ですか?
シンガポール・ベトナム・マレーシアの採用動向を定期的にまとめた市場調査レポートです。社内の採用実績データ・企業向けアンケート・労働市場調査を組み合わせて作成しています。
Q2. 東南アジアで採用が活発な業種はどこですか?
製造業・エンジニアリング、銀行・金融サービス、商社・流通、専門職サービスが引き続き活発です。
Q3. なぜ欠員補充が中心になっているのですか?
多くの企業が人員計画をより慎重に進めるようになっており、業務を維持しながら増員の必要性を見極める動きが広がっているためです。
Q4. バイリンガル人材はそれほど市場価値が高いのですか?
はい。Reeracoenの採用データによると、越境ビジネスへの対応力を背景に、バイリンガル人材は同職種比で10〜20%程度高い報酬を得ているケースが多く見られます。
最新の採用レポートをダウンロードする
地域の採用動向をより深く把握したい企業様は、「Reeracoen 採用レポート 2026年3月版」をご覧ください。シンガポール・ベトナム・マレーシアの最新の採用動向をまとめています。
東南アジアでの採用をお考えの企業様へ
シンガポール・ベトナム・マレーシアでの採用をご検討中の方は、Reeracoenの採用コンサルタントにお気軽にご相談ください。採用戦略の立案から、市場水準との比較まで幅広くサポートします。
著者プロフィール
著者:Valerie Ong(リージョナルマーケティングマネージャー)
発行:Reeracoen Vietnam(Reeracoenグループ)― APACを代表する採用エージェンシー
Valerie Ongはアジアでのマーケティング・広報・採用ブランディングにおいて20年以上の経験を持ちます。Reeracoenでは地域のマーケティング活動を統括し、労働市場調査・企業向けインサイト・採用動向レポートの発信を通じて、企業の採用課題解決と人材戦略立案を支援しています。
言語
- This article is written in English for readers across Southeast Asia.
- Vietnamese and Japanese translations are available on our website.
参考資料

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