ベトナムの人材定着戦略2026:オンボーディングの重要性

GeneralMarch 26, 2026 14:02

ベトナムの人材定着戦略2026:オンボーディングの重要性

なぜ人材の定着は入社前から始まるのか

ベトナムの人材市場が引き締まる中、企業の関心は「採用」から「定着」へと移りつつあります。多くの企業が、新入社員の最初の90日間が、その後の定着に大きく影響することに気づき始めています。

AONの「2025年東南アジアHRトレンドレポート」によると、ベトナムでは自己都合退職の34%が入社後6か月以内に起きています。

主な理由は次の通りです。

  • 体系的なオンボーディングが整っていない
  • 仕事内容に対する期待とのズレ
  • マネージャーと人事の連携不足

一方で、30・60・90日のオンボーディングプランを明確に設計している企業では、定着率が最大50%改善し、新入社員の立ち上がりも早まる傾向があります。


ベトナムの中小企業に適した30・60・90日フレームワーク

グローバル企業では充実した研修制度を持つケースが多いですが、ベトナムの中小企業でも、シンプルで実践的な30・60・90日フレームワークを取り入れることで、同様の効果が期待できます。


最初の30日:受け入れ・認識合わせ・関係づくり

最初の1か月は、会社に慣れ、安心して働ける状態をつくることがポイントです。
 企業文化や期待を一度に詰め込むのではなく、無理なくなじんでもらうことを意識します。

主な取り組み:

  • 業務内容と評価基準をわかりやすく共有する
  • メンターやバディをつける
  • 上司との定期的な1on1(週1回など)を設定する
  • 職場でのマナーやコミュニケーションのルールを明確にする(特にバイリンガル環境)

💡 ポイント:ベトナムでは、チームとのつながりやオープンな情報共有が重視されます。
 会社の目標と、自分の仕事がどうつながるのかを丁寧に伝えることが大切です。


31~60日:自信とスキルを伸ばす

2か月目に入ると、社員は少しずつ実務に関わり、成果を出し始める段階です。
 この時期は、学びの機会と裁量をバランスよく与えることが重要になります。

ベトナムで効果が出やすい施策:

  • 英語やデジタルツールを含む実務に直結した研修
  • 早い段階での実案件への参加
  • 指摘に偏らない、前向きなフィードバック

Reeracoenの「APAC人材白書2025」では、ベトナム人材の71%が「メンター制度や実践的な学びの機会が、1年以上働き続ける理由になる」と回答しています。


61~90日:成果の確認とカルチャーの定着

オンボーディングの最後のフェーズでは、「この会社でやっていけそうか」を本人が判断し始めます。
 ここでの対応が、早期離職を防げるかどうかの分かれ目になります。

マネージャーは、評価と承認、そして会社の価値観の共有にしっかり時間をかける必要があります。

主なアクション:

  • KPIを本人と一緒に振り返る
  • 小さな成果でもしっかり認める
  • キャリアの方向性や今後の機会を提示する

Gallupの調査によると、入社後90日以内に定期的なフィードバックを受けた社員は、3年以上在籍する可能性が2.5倍に高まるとされています。


ベトナムにおける定着のポイント:つながりをどうつくるか

ベトナムでは、スキルだけでなく、職場との相性も定着に大きく影響します。
 多くの人が特に重視しているのは以下の点です。

  • チームの一体感
  • ワークライフバランスの安定
  • キャリアの見通し

オンボーディングの中で、チームでの称賛やメンタリングの文化を取り入れている企業は、離職率が低くなる傾向があります。

事例:

  • ビンズオンの製造業(日系企業)では、バイリンガルのバディ制度を導入し、早期離職率が28%から9%に改善
  • ダナンのITスタートアップでは、月1回の「Learning Friday」を実施し、新入社員の離職意向を40%低減

オンボーディングは「作業」ではなく「戦略」

オンボーディングを単なる手続きとして扱ってしまう企業は少なくありません。
 しかし実際には、定着を左右する重要な経営施策の一つです。

効果的なオンボーディングでは、最初の3か月で次の3点を実現します。

  • Clarity(明確さ):何を求められているかが分かっている
  • Connection(つながり):職場の中で安心して関われている
  • Confidence(自信):自分の仕事に意味を感じられている

これらがそろうことで、離職コスト(年収の0.5〜1.5倍)を大きく抑えることができます(Mercer Vietnam 2025)。


Reeracoen Vietnamの現場から

製造業、IT、サービス業などのクライアントを見ていると、オンボーディングをしっかり設計している企業には、次のような共通点があります。

  • 立ち上がりが早い(平均で約25日短縮)
  • 従業員満足度が向上(前年比+18%)
  • 紹介や口コミが増え、採用にも好影響

人材が限られる今、オンボーディングは単なる社内業務ではなく、企業の魅力を左右する重要なポイントになっています。社員が会社についてどう語るかにも直結します。


FAQ:ベトナムにおけるオンボーディングと定着

Q1. オンボーディングはどのくらいの期間必要?
 少なくとも90日程度が目安です。カルチャー理解、スキル習得、フィードバックまでを一通りカバーできます。

Q2. よくある失敗は?
 研修後にフォローがなく、放置してしまうことです。継続的なコミュニケーションが欠かせません。

Q3. 予算が限られていてもできる?
 可能です。週1回の面談やバディ制度、簡単な表彰などでも十分効果があります。

Q4. Z世代には工夫が必要?
 必要です。双方向の研修や率直なフィードバック、仕事の意味づけを重視する傾向があります。

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✅ 執筆者情報

執筆:Valerie Ong(Regional Marketing Manager, Reeracoen Vietnam)
発行:Reeracoen Vietnam — APACを代表するリクルートエージェンシー

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