ベトナムにおける日本語スキルの価値 ― バイリンガル人材の給与が高い理由

GeneralMarch 12, 2026 14:24

Vietnamese and Japanese professionals collaborating in a bilingual meeting at a modern Ho Chi Minh City office

ベトナムにおける日本語スキルの価値 ― バイリンガル人材の給与が高い理由

急速に変化するベトナムの労働市場において、バイリンガル人材、とりわけ日本語に堪能な人材は、依然として明確な競争優位を持っています。

より高い給与、昇進スピードの向上、そして雇用の安定性――。日本語スキルの高さは、企業の採用や人材評価のあり方にも大きな影響を与えています。

本記事では、Reeracoen Vietnam Salary Guide 2025のデータをもとに、日本語話者が最大10〜20%高い給与を得られる理由、日本語能力試験(JLPT N1〜N3)が年収に与える影響、そして2025年に求職者と企業が知っておくべきポイントを解説します。

 

1. 日本語人材の需要が高い理由

日越ビジネス関係のさらなる深化

日本はベトナムにとって依然として最大級の投資国の一つであり、2,000社以上の日本企業が現地で事業を展開しています。さらに2025年の新規対内直接投資(FDI)は43億米ドル以上に達しています(JETRO)。

成長を牽引している主な分野は以下の通りです。

  • 製造業・半導体

  • 自動車および産業エンジニアリング

  • ITアウトソーシングおよびフィンテックサービス

  • 物流・サプライチェーン管理

これらの企業では、日本本社のチームと円滑にコミュニケーションを取り、国境を越えた業務を管理し、顧客関係を維持できる現地人材が求められています。その結果、日本語ができるバイリンガル人材への需要は安定して高い状態が続いています。

 

2. 日本語話者の給与はどのくらい高いのか

Reeracoen Vietnam Salary Guide 2025によると、日本語スキルを持つ人材の基本給は、非バイリンガル人材と比較して平均で10〜20%高い傾向があります。

この給与プレミアムは、エンジニアから人事担当者まで幅広い職種で見られ、顧客対応を伴うポジションやマネジメント職ではさらに大きくなる傾向があります。

(出典:Reeracoen Vietnam Salary Guide 2025)

 

3. 企業がバイリンガル人材を評価する理由

異文化・チーム間の「橋渡し役」

バイリンガル人材は、日本人マネジメントと現地スタッフの間に生じやすいコミュニケーションギャップを解消し、プロジェクトの連携強化や顧客満足度の向上に貢献します。

機密性の高い業務における信頼できるコミュニケーター

多くの日本企業は、外部通訳を利用するよりも、文化理解を持つ現地社員を重視する傾向があります。特に以下の分野ではその傾向が顕著です。

  • 人事

  • 経理・財務

  • 顧客対応・営業管理

長期的な定着率の向上

ReeracoenのAPACホワイトペーパーによると、ベトナムにおける日系企業は、バイリンガル人材の育成に投資することで従業員定着率が12%高いという結果が出ています。

📘 関連記事:

「Cracking Retention in Vietnam 2026 – Onboarding Matters」

 

4. 今後の展望:バイリンガルの価値はさらに高まる

AIによる自動翻訳ツールの普及は、人間のバイリンガル人材の価値を下げるどころか、むしろその重要性を高めています。

企業が求めているのは、単なる語学力だけではありません。以下を兼ね備えた人材です。

  • 語学力

  • 高いEQ(感情知能)

  • 異文化適応力

特にリーダーシップポジションでは、これらの要素がより重視されています。

ベトナムは今後も、グリーンエネルギー、製造業、デジタルサービス分野で日本からの投資を引き続き呼び込むと見込まれており、2026年以降もバイリンガル人材の需要は供給を上回る状態が続くと予想されています。

📘 関連記事:

「Vietnam Hiring Trends 2026 – Sectors to Watch as FDI Rises

 

5. 求職者へのアドバイス

資格取得を目指す

JLPT N2以上を取得すると、就職・転職市場での評価が大きく高まります。

コミュニケーション力をアピールする

日本企業では、礼儀正しさ、正確さ、チームワークが重視されます。履歴書や面接でこれらの要素を明確に伝えましょう。

専門スキルとの掛け合わせを意識する

日本語ができるエンジニア、人事マネージャー、財務アナリストなどは、語学力のみの人材よりも高い報酬を得られる傾向があります。

FAQ

Q1.日本語スキルによる給与の差は、特定の業界に限られますか?

 いいえ。製造業、商社、IT、コンサルティングなど、日本企業の投資や顧客が関わるあらゆる業界で見られます。

Q2. バイリンガル人材の給与はどの程度高くなりますか?

 平均で10〜20%程度高く、JLPT N1レベルの高度人材では最大25%程度高くなるケースもあります。

Q3. ベトナムには日本語人材は十分にいますか?

 現在、労働市場にいるJLPT認定人材は8万人未満とされており、需要にはまだ届いていません。

Q4. キャリアのために日本語を学び始めるにはどうすればよいですか?

 体系的なJLPT対策コースの受講や、Reeracoenと教育機関の提携による企業研修プログラムなどを活用すると効果的です。

👩‍💼 求職者の方へ

 「CVを登録する」— ベトナム国内の有力日系企業におけるバイリンガルポジションをご紹介します。

💼 企業の方へ

 「コンサルテーションを予約する」— Reeracoenが、日本語人材の採用と定着をどのように支援できるかをご案内します。

著者

  • Valerie Ong (Regional Marketing Manager, Reeracoen)

  • Reeracoen Vietnam 発行- APAC地域を代表する人材紹介会社

参考資料

関連記事